CEATEC JAPAN 2016は前年比9.1%増となる145,180人の来場者を迎え、盛況のうちに閉幕した。この数字は会場に張り付いて取材に当たったCEATEC JAPANニュースセンターの記者たちの実感とも一致するものだ。
前年比9.1%増となる来場者を迎えてCEATEC JAPAN 2016は閉幕しました
CEATEC JAPANは、さまざまな出展者が同じ時空間を共有する展示会
一昨年(2014)から昨年(2015)にかけ、1日当たりの入場者数は10%あまり増えていた。会場のデンシティ(密度)とインテンシティ(本気度)は年々、高まっていると感じられたが、2016年はその勢いはさらに増しているとの感触がある。大きな理由は出展者数の増加だ。
「CPS/IoTの総合展」という新たなコンセプトに賛同した648社/団体の出展者は前年比で22.0%増。より多くの、しかも多様なジャンルからの“出演者”が舞台の華やかさを増していた。総合電機メーカーも、ソフトウェアも、金融も、部品や素材メーカーも、スタートアップ企業や大学の研究室も、さまざまな出自の出展者が同じ時空間を共有する展示会はCEATEC JAPANならではと言っていいだろう。
多種多様な反応
そして観客=来場者。単に数が増えたというだけではない。スーツ姿に混じり、高校生や大学生の姿、中には車椅子のゲストも見受けられ、来場者のバリエーションは各段にひろがった2016年だった。
「想像より5倍くらいのスゴさでした。映画の中で見た未来が、もうすぐ実現すると、実物で見せられた」(初来場の大学生)
「10年ぶりぐらいにこの展示会に来ました。カッコいい車椅子があるというので見に来てみたのですが、人混みがすごくてなかなか近づけませんでしたが。あと気になったのはVRです。ハンググライダー体験をやってみたかったですね。来年も来てみたいです」(電動車椅子で会場を訪れた男性)
新機軸として実施された「東北・熊本復興サポート展示」の出展者からはこんな声もあった。
「ふだん出展している業界の展示会とは違った層の方々に興味を持っていただけ、いろいろお話ができて新鮮でした。ときには出展者の立場を離れ、広い会場内を見て回って刺激を受けました。同じコーナーに出展している企業と話ができ、すぐにでもビジネスが動きそうです。」(福島県の金属加工メーカー)
さらにベンチャー&ユニバーシティーエリアに出展した大学関係者からも前向きなコメントが得られた。
「学内での展示やオープンキャンパスなどと違って、ここでの展示はさまざまな業種のプロと向き合う真剣勝負。学生たちは鍛えられましたね」(出展した大学教授)
CEATEC ニュースでは、Prime Media Partner 提供記事とCEATEC JAPANニュースセンター独自取材の記事を合わせた143本の記事を通じ「CEATEC JAPAN 2016の最新の話題を提供」する役割を果たしてきた。これらは将来にわたってアーカイブされ、「CPS/IoT」というテーマに大きく舵を切ったCEATEC JAPAN 2016の航跡を残す、スナップショットの役割を果たす。
来年、あるいは再来年、さらにはもっと先に見返してみた時、「大きな変化は、ここから始まっていた」と思えるような吉兆を、書きとめられていることを願い、2016年のCEATEC JAPANニュースセンターをクローズします。取材ご協力いただいた多くの出展者、来場者の皆様、ありがとうございました。