東北・熊本復興サポート展示ゾーンに出展した東成イービー東北株式会社は、小惑星探査機「はやぶさ2」搭載の「インパクター」と呼ばれる装置の試作品などを展示し、同社が強みとする電子ビーム溶接やレーザー加工の技術を紹介した。
小惑星を爆薬で掘り返す! ミッションの成否を握る装置を展示
2010年に“奇跡の帰還”を成し遂げた小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として、2014年12月3日に打ち上げられ、2018年の小惑星到着を目指して宇宙空間を航行しているのが「はやぶさ2」だ。
目的地となる小惑星「リュウグウ」では、初号機同様の観測に加え、爆薬を使って小惑星表面を掘り返し、内部の標本を持ち帰ろうという意欲的なミッションに挑戦する。その成否を握るのが「インパクター」と呼ばれる装置。爆薬に点火し、表面を覆う銅板を飛ばし、それを砲弾のように打ち込んで小惑星表面に人工クレーターを作ろうという人類初の挑戦だ。
そのインパクターの核心部分が、爆薬を収めるケースの、銅とステンレスの異種金属接合部。それを電子ビーム溶接で行ったのが、この技術で高いノウハウを有する東成エレクトロビーム株式会社(東京都西多摩郡瑞穂町)の子会社で、福島県郡山市に拠点を置く東成イービー東北株式会社だ。CEATEC JAPAN 2016には、東北・熊本復興サポート展示ゾーンの一角に展示スペースを設けた。
難易度の高い「異種金属溶接」を電子ビームで行う
爆薬を小惑星まで安全に輸送し、いったん点火されれば設計どおりに破断するという難易度の高い溶接だが、スケールモデルや実大モデルを使った地上での確認試験をクリアして小惑星に旅立った。展示されているのはその試作品のひとつ。
同社ブースではこのほか、レーザーによる微細加工を応用した、医療用途のサンプルなどを展示し、来訪者の関心を集めていた。
「インパクタ」の試作品。円形の銅板と、ケースのステンレスを、周長約1mにわたって一様に溶接したもの。爆薬への点火は、「はやぶさ2」の約1年半にわたる滞在観測ミッションの最終段階(おそらく2019年)となる
- 展示エリア
- 特別企画エリア(東北・熊本復興サポート展示ゾーン)
- 小間番号
- 4P23-11
- 関連リンク
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東成エレクトロビーム株式会社
http://www.tosei.co.jp/東成イービー東北株式会社
http://ebtohoku.co.jp/JAXA「はやぶさ2」プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/ - 出展者情報
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東成イービー東北株式会社(東北・熊本復興サポート展示ゾーン)
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=7273