今年の出展者数は648社/団体。出展者からみたCEATEC JAPAN 2016の感想をインタビューした。
日本のマーケット進出を目指して
日本への市場開拓に向けて初出展した、韓国のGENTLE GUARDの担当者に話を聞いた。
「新しい技術を面白いと思ってもらえることはうれしい。スマホが生活に切っても切り離せないものとなった今、それをおしゃれに楽しむ技術を製品化して提供できる。従来のスマホ液晶画面保護シートの模様や絵は、シールやフィルムに印刷していたが、同社は世界初のガラスへダイレクトに印刷する技術を持っている。日本の店舗展開に向けて、こういった展示会でメーカーだけでなく、一般の来場者へ広められる機会がある事はうれしい」と出展の感想を聞かせてくれた。
「百聞/百見は一触にしかず」
『身体力触覚を移植するハプティック人工手』で、CEATEC AWARD審査員特別賞を受賞した慶應義塾大学 ハプティクス研究センターの研究員の溝口さん。
「この技術の元々の基礎は15年ほど前にできたもので、約13年かけて研究開発を進めてきた。2015年にできたハプティクス研究センターで企業との共同開発により、市場に出る製品を作ろうと生まれた義手の技術。力触覚移植技術によって、欠損部位の身体感覚を健全な部位に代替させることで、人間の把持機能を人工的に再構築することが可能で、福祉介護、医療、産業、家庭、農業など、様々な分野で手間ひま作業の自動化が革新的に進展します。今回の展示会を通してリアルハプティクス技術の魅力・到達度を実感していただけたのではないかと思います。これからもこの技術の実用化を目指して、こういった展示会に出展していきたい」とコメントをいただいた。
「高性能ハプティック義手の実力は、こんなもんじゃありません」と賞状を手に溝口さん
ママの力をITの世界に・・・
株式会社マミーゴーはITやweb関係に強い女性の力を活用し、企業のwebページ制作を請け負ったり、リアルに集まるママの声を活用した商品開発やマーケティング協力を行っている。同社の荻野さんは、初出展の昨年以上に「仕事に直結する手ごたえを感じた」という。
多くの方から、「なぜこういった展示会にママの声を?」と聞かれたそうだが、「技術系の展示会であるCEATEC JAPANですが、どのプロダクトも最終的には人が使う物・人に役立つ物なので、私たちの強みである“リアルママの声”をマーケティングに活用していただき、そのほかwebページ制作といった人的サービスの提供でITの手助けができると思っています。昨年の出展により、業績は格段に上がりました。ニーズがあるなら、後は認知度を上げる。そうすれば、必然的に仕事につながるはずなので、今後も様々な分野の企業と協力し合い、新しいプロダクトやコンテンツの提供ができる可能性を感じています」と、早くも来年の出展への意欲を笑顔で語ってくれた。