京都議定書に代わる2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」が昨年12月の採択から、1年足らずの11月4日に発効する。産業革命以来の化石燃料の時代を終わらせ、再生可能エネルギーを中心とする時代へと向かうために、今できることは何か。フォーアールエナジー株式会社は協賛各社との共同出展ブース「New Smart Project “FREEDOM”」内で、ゼロ炭素社会の実現に向けた新しいエネルギーコミュニティのコンセプトを紹介した。
共同出展の「New Smart Project “FREEDOM”」ブース内でトレーラーハウス、蓄電池、EV、太陽光・風力発電などのゼロ炭素コミュニティが展示された
貯める・使うが自由自在の「エネハンド」蓄電システム。
今年4月の熊本地震の影響で停電したエリアで、電気が途切れることなく使用できた世帯がある。昨年、経産省の補助金がつき全国で4千台が売れた蓄電システム「エネハンド」の利用者は停電を免れた。
1台で「電気を蓄える、使う・共有する」を実現した「エネハンド」蓄電システムによって3日間生活したうえ、近隣住民の携帯電話の充電を助けた。中には周囲が停電したことすら気付かなかった利用者もいたという。
従来の蓄電池は非常用に使われていたが、次世代の「エネハンド」蓄電システムVPP CONCEPTでは再生可能エネルギーを自由自在に貯めたり使ったりできることが可能。太陽光パネルで発電した電気を取り込み、筺体内の蓄電池や電気自動車(EV)のバッテリーに蓄電する。フォーアールエナジーの二見氏は「災害が起きれば不安になるが、エネルギーが途切れないことで鉄壁の安心・安全を得られる」と語る。
1台で「電気を作る・蓄える・使う・共有する」を実現する次世代「エネハンド」
電力の「見える化」。八景島400世帯の節電実績は年間400万円。
電気が足りない時は節電をしようという意識が働くが「実際にどれほどの効果があるのかわからない」という声もあるだろう。会場では東京海洋大学の協力で電力の「見える化」を展示した。ネット電力計がブース内のトレーラーハウスの電気使用状況をグラフ表示する。これを見れば、今どうすべきかがわかるだろう。
横浜市・八景島の400世帯にネット電力計を導入した例(東京海洋大学刑部研究室)では、2割の節電に成功したという。全世帯の使用電力状況をグラフで見られるため、各世帯がそれぞれ節電を意識するようになった。こうして節約できた電気料金は年間約400万円で、一家庭あたり1万円の計算になる。
ITを使い、かつての「近所で味噌や醤油を分け合う感覚」でエネルギーを分け合う時代は目の前に来ているかもしれない。
ドライヤーで使用した電力量がグラフ表示されリアルタイムでわかるネット電力計(東京海洋大学刑部研究室提供)
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- 4P24
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フォーアールエナジー株式会社
https://www.4r-energy.com/