NHKは一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)との共同ブースで、2年後に始まる4K・8Kの実用放送に向けての取り組みをPRした。会場では、CSやケーブルで始まっている4Kサービスの他、この夏にスタートした4K・8K試験放送を体験できる。2018年開始の実用放送受信に必要な機器に関する展示も行われた。
4K・8K試験放送を体験
今回の展示では、試験放送中の4K・8K映像を体験することができた。担当者は「2年後に放送が始まることを感じてもらいたい」と期待を寄せている。
2年後の4K・8K実用放送は、現行の衛星放送とは異なる仕組みで放送されるが、現在販売されている4Kテレビや4K対応テレビには4K・8K放送を受信する機能が搭載されていないため、対応チューナ―や、JEITAが認定する「SHマーク」(スーパーハイビジョン受信マーク)の付いた受信システム機器(アンテナやブースタなど)が必要となる。会場では、それらに関するパネルや、すでに発売中のSHマーク製品が展示された。
来場者の高い関心を集めたのは有機ELディスプレイを4枚並べた130インチ8K対応シート型ディスプレイ。映像の迫力や美しさを実感したのちディスプレイを真横から観察して、わずか2mmという薄さに多くの来場者が驚きの表情を浮かべていた。また、8KのHDR(ハイダイナミックレンジ)のデモ展示では、従来よりも表現できる明暗の幅が広がったことによって実現した、自然で鮮やかな色彩が再現された映像を楽しむことができた。
ケーブルテレビで4K・8K衛星放送を見るための小型受像機(試作機)を展示
現在、全国の約半数の世帯がケーブルテレビでテレビを視聴しているが、4K・8K放送をケーブルテレビ経由で見るための技術開発が進んでいる。
会場には、NHKがKDDI株式会社、株式会社ジュピターテレコム、日本デジタル配信株式会社との共同で試作開発したケーブルテレビ用の小型受信装置(チューナー)が展示された。これにより、ケーブルテレビで4K・8K を受信するための主要なモジュールが揃い、実用放送に向け受信機の製品化が期待される。
4K・8Kは医療現場にも活用されている
放送だけが注目される4K・8Kだが、8Kの産業利用に向けた研究も進められている。会場では医療に応用する例として、内視鏡に8Kカメラヘッドを取り付けて撮影するデモ展示が行われた。解像度は従来のハイビジョンカメラの16倍で、40ミクロン(0.04mm)の手術用の糸がはっきりと見える。すでに医療現場での実証実験が始まっており、医師からは病巣の状況をより正確に判断できるとして高い評価を得ているそうだ。
- 展示エリア
- 家エリア
- 小間番号
- 3H66
- 関連リンク
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NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp - 出展者情報
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NHK/JEITA
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=6801