遠隔地の操縦者がヘッドマウントディスプレイを装着して操作するロボット「Caiba」は、まるでロボットに入り込んでしまったかのような感覚を味わえる。
操縦者が手を上げれば、ロボットの手も上がる
Caibaは、ロボットひとつで完結するのではなく、操作する者が必要なロボットである。
ヘッドマウントディスプレイを通せば、どんなに遠くからでも遠隔操作ができる。
ロボット側に付いているカメラが目の役割を果たし、マイクを通じて音声を聞き取り、スピーカーを通じて音声を発することができる。コミュニケーションも容易だ。もちろん手足を動かすこともできる。その場に行かなくても、ロボット通して体験できるということが大きな特徴である。ロボットが体験していることを、遠くから操縦している人がそのまま味わうことができる。
実際に操縦してみたのだが、だんだん自分がロボットになっていくような不思議な感覚を覚えた。操縦者が右手を上げれば、ロボットの右手も上がる。「遠隔操作だからこそ、活用できる場も多いのではないか」と考えていると、スタッフは言う。
ガイドから教育支援まで、活躍の場は幅広い
活用シーンとして考えているひとつに、空港やイベントでの案内支援がある。さまざまな言語対応が必要な場に「caiba」を置いて、多言語に対応できるサポートセンターとつなぐことで案内業務をサポートするようなこともできるという。年内に羽田空港で実証実験を行う予定。
他にも介護支援の場での活用が考えられる。これは従来あるような介護者への支援ではなく、要介護の方がロボットを触ることで元気になったり、癒されたりするのでないかという。これも実証実験中だという。
また、ロボットを人があまり行かないような場所に置き、操作コクピットを人の集まる場所に置いて操縦してもらうことで、実際に行ってみたくなるようなモチベーションアップにつなげるという販売支援、コクピットを通して普段見ることができない遠くの展示を見るという学習機会の提供。また、既存の商品とパッケージしたり、さらにはキャラクター化したりすることも考えている。
アイデア次第でまだまだ活用の場は広がっていくのではないだろうか。ブースではプロトタイプ8を展示中だが、現在プロトタイプ9を開発している。次のモデルでは360度カメラを搭載して、応答速度をさらにスピードアップする。ロボット開発に遠隔操作という切り口で新しい可能性を広げている海馬の今後に注目したい。
- 展示エリア
- 特別企画(ベンチャー&ユニバーシティエリア)
- 小間番号
- 4P53-06
- 関連リンク
- 出展者情報
-
有限会社海馬
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=6967