IoT時代に向けて、情報をやり取りする通信規格はさまざまなものが策定され、普及が進められている。今回、日本では初の展示会出展となった「Z-WAVE」もその一つだ。アライアンスには375社以上がパートナーとして加盟しており、現在1500以上の相互接続を約束されたデバイスが製品化されている。
CEATEC JAPAN 2016に出展していたZ-WAVEアライアンスのブース
利用シーンは一般家庭でのIoTソリューション
会場では主にセンサーやゲートウェイについて、パートナー企業の製品が出展されていた。最近ではデザインも多様化しており、そのバリエーションが見られるのも、同ブースの一つの魅力となっている。主には一般家庭向けの利用を想定しており、開閉センサーや、人感・温度などのマルチセンサーを見ることができる。米シグマデザインズ社の展示では、スマホから電子錠を制御するデモが行われている。
ブースではZ-WAVEに対応した、さまざまなセンサーやゲートウェイを見ることができる
ピクセラのIoTソリューションで利用が進むZ-WAVE
アライアンスのブース内で最も多くの機器を展示していたのがピクセラだ。同社執行役員の営業企画本部 森佳昭本部長によると、以前はIoTの分野では通信にBluetoothを利用していたという。では一体なぜ、Z-WAVE対応の製品を投入しようと考えたのか? その大きな理由の一つが、利用している周波数帯域だ。
「Bluetoothの利用している2.4GHz帯は通信可能な範囲が狭く、電子レンジなどの干渉も受けました。しかし、Z-WAVEの利用している920GHz帯であれば、これらの問題を解決できると考えたのです」
Z-WAVEは電池駆動を想定しており、消費電力にもアドバンテージがある。基本的にはメンテナンスフリーが理想なセンサー類にとって、相性の良い通信規格といえるだろう。一方で、通信速度ではBluetoothやWifiに劣るので、用途によっては既存の通信規格との使い分けも必要になりそうだ。
「開発中のゲートウェイではZ-WAVE、Bluetooth、WiFiと複数の通信規格に対応する予定です。例えば、人感センサーとはZ-WAVEで接続。それをトリガーに録画を行うIPカメラとはWiFiで接続するような使い方を想定しています」
こうしたセンサーとゲートウェイに加え、サーバー、アプリといったIoTソリューションに必要なものを、ピクセラではプラットフォームとして提供。これを活用した見守りなどのホームサービスが、同社より「Conte」という名で提供されている。使用しているマルチセンサー、開閉センサーでは、情報がZ-WAVEでやり取りされているとのことだ。
電池駆動で遠距離通信が可能となれば、IoT時代においてその利便性は高い。IoTでサービスを提供するにあたっては、性能だけでなく、その通信規格にも注目して利用する機器を選定していきたい。
- 展示エリア
- CPS/IoTを支えるテクノロジ、ソフトウェアエリア
- 小間番号
- 5C51
- 関連リンク
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Z-Wave Alliance
http://z-wavealliance.org/