CEATEC JAPANの特別企画エリアにはAI・人工知能パビリオンが設置され、最新のAI技術の展示を集中して確認することができる。
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)
人工知能については、文科省、総務省、経産省などが新しい研究プロジェクトを立ち上げるなど、民間のみならず政府の成長戦略を受けた動きも活発だ。産総研ではいくつかの人工知能研究の成果を展示していた。
目を引いたのはクイズ形式で自己学習するデモ用対話エージェントだ。縦長のサイネージにペンギンのキャラクターが表示され、このペンギンの質問に答えていく。いくつかの質問の答えをペンギン(AI)が判断し、なんの動物かを回答する。間違っていた場合、正しい答えを入力すると、機械学習(ベイズモデル)の答えが強化されていく。
機械学習のイメージを一般の人にも掴んでもらうという目的もあるが、答えによるモデルのチューニング方法などの研究も同時に行っているという。
もうひとつ紹介する展示は、医療用の画像認識システムだ。レントゲン写真やCT画像などのスクリーニングを行う画像処理システムはすでに存在するが、産総研では、独自の特徴点抽出の技術の研究・開発という意味もある。AIアルゴリズムの研究だけでなく、システムとしての機能も考えている。
たとえば、画像の異常(がんなど)パターンを識別するだけでなく、正常な細胞も学習させ、「正常でない」細胞も検出する技術や、内視鏡の画像をリアルタイムで認識し、重症度や類似症例を合わせて表示してくれる。
地味ではあるが、Googleなどの学習結果アルゴリズムだけをAPI利用するサービスが増える中、その大元となる学習アルゴリズムそのものの研究や、学習フィードバックの手法などの研究は、人工知能技術のブレークスルーに不可欠なものだ。
内視鏡の画像を機械学習で解析し、類似症例などをリアルタイムで判断
株式会社リクルートホールディングス(DataRobot Inc.)
リクルートのブースは、同社が出資しているDataRobotのサービスのデモを行っていた。
リクルートは、グループが展開する情報サービスや予約サービスに関連する膨大なデータを持っている。自社でもデータサイエンティストやエンジニアが機械学習などを使った解析を行っている。その中で各種の解析サービスやAPIのマッチングを行い、処理インターフェースを提供してくれるDataRobotを利用している。
DataRobotのサービスは、ビジネスにおけるオンライン広告の分析・レコメンド、eコマースの不正検知、製造ラインの歩留まり予測、金融予測など、さまざなデータ分析に最適な解析ツールや人工知能エンジンが用意されている。
株式会社ネクストリーマー
ネクストリーマーは4年前に起業した会社だが、独自の人工知能エンジン、A.I.Galleriaを持ち、各種AIサービスやアプリを提供する。A.I.Galleriaは、会社の受付、コールセンター、予約窓口、観光地案内など、対話型エージェントのためのエンジンだ。
展示では、ホテルフロントの受付を行う「MINARAI」、漫画のコマ割風にチャットが進むテキスト型人工知能「万デジ郎に聞け!」、音声認識のリマインダーにパーソナライズ機能を付加した「ピクレトリ」などだ。
どれもA.I.Galleriaをベースとした人工知能アプリ、サービスだが、同社では、このエンジンをOEMとして提供するビジネスも展開している。
- 展示エリア
- 特別企画エリア
- 小間番号
- 5P-65
- 関連リンク
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リクルート
http://www.recruit.jpネクストリーマー
http://www.nextremer.com