検診データを人工知能が測定、健康診断の精度を高める
SoC(System-on-Chip)の設計開発を手掛ける株式会社ソシオネクストが、15年から展開しているのがメディカルIoT統合ソリューション「viewphii」だ。同社の半導体技術を生かして、超音波診断装置、血圧計、心電計を小型化。IoTなモバイル端末として、主に医療現場に向けての利用を提案している。
これをさらに一歩進めて、今ソシオネクストが取り組んでいるのが人工知能との連携だ。東工大発AIベンチャーのSOINN株式会社とトライアル実験を開始。「viewphii」などがセンシングした生体データや、健康診断の結果を人工知能が分析することで、さらに詳細な健康状態の把握を目指す。
これまでも医療の現場では血圧計や心電図などをモニタリングして、患者の容態変化などに対応していた。しかし、経営企画室 企画部 広報担当の泉潔氏によると、トライアルでは検診者の将来における健康リスクを検出することを目的にしているという。
「これまでの診断では見落としていたような兆候も、人工知能の分析によって明らかになるのではないかと考えています。イメージとしては健康診断の精度を上げるといったソリューションですね」
ドローンの撮影映像を進化させるテクノロジー
同社のイメージングプロセッサー「Milbeaut」では、“ドローン/アクションカメラ ソリューション”としての機能展示が行われていた。プロセッサーの機能の中でも強調されていたのが「EIS(電子動画手振れ補正)」。会場ではドローンを揺らした状態で、内蔵カメラからの映像が表示されていた。処理前の映像と比べると、明らかにブレの少ない映像が表示されているのが分かる。
ミルビュー事業部 事業営業部の山本康二氏によると、4Kなどの高画質な映像でも重くならずに処理できるのが、Milbeautの特徴だという。
「画像処理チップによるハードアシストがあるので、処理が重くなるような状況でも高速、高精度な補正ができます。ドローンでは風などの影響による振動が撮影を妨げますが、より高画質な映像が求められるときにも対応が可能です」
その他、ドローン関係としては、「全周囲立体モニタシステム」のデモも行われていた。これは主に、自動車や重機向けに提供している技術で、車体に複数のカメラを設置。それを合成することで、鳥瞰図のように車を上から見たような映像を作成する。ドライバーの視野から死角をなくすことで、より安全な運転をサポートするのが目的だ。
会場ではこれをドローンに適用し、360度を同時に見渡せる映像がモニターに表示されていた。映像を左右に振る時にドローンの向きを変えずに済むため、よりスムーズな撮影ができるという。ヘッドマウントディスプレイなどと組み合わせれば、入り組んだ地形などでも繊細な操縦ができそうだ。
- 展示エリア
- CPS/IoTを支えるテクノロジ、ソフトウェアエリア
- ブース番号
- 6C130
- 関連リンク
- 株式会社ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ - 出展者詳細
- 株式会社ソシオネクスト 詳細情報