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3Dプリンタで作るマイクロコミューターを展示、本田技研工業株式会社

カテゴリー : 社会エリア

ホンダは、マイクロコミューター「MC-β(エムシーベータ)」をベースとした小型車両を展示していた。特徴は外装のほとんどが3Dプリンタで出力されたものだということ。

HONDAブース

MC-β

独自のフレーム構造を活用

MC-βは、ホンダが都市内近距離移動を目的とした2人乗り小型4輪EV(電気自動車)だ。ラダーフレームにパイプフレームを組み合わせたバギーのような構造を持つ。この独自のフレーム構造のため、内装・外装の付け替えや架装がしやすいというメリットがある。MC-βオリジナルのボディは存在するが、デリバリーや移動用途によってこれらをカスタマイズできる。

3Dプリンタ

独自のフレーム構造

この特性を生かして制作されたのが、ブースに展示してある鳩サブレでおなじみの「豊島屋」のデリバリー車だ。デリバリー専用とするため、後席をなくし荷物スペースを設けている。外装は、豊島屋本店がある古都鎌倉になじむデザインとなっている。この外装デザインと制作は、「株式会社カブク」が手がけている。

豊島屋モデルのコックピット

豊島屋モデル

カブクは3Dプリンタを使ったビジネスを展開するベンチャー企業で、豊島屋のエンブレム、フロントカウルやリアクオーター、リアゲートなどほとんどを3Dプリンタで出力した部品を使っている。表面は3Dプリントした素材であることを強調するため、あえて仕上げ処理をしていない。プリンタが素材樹脂を積層していったあとが残っている。

実証実験で実績を蓄積

MC-β自体の市販はまだだが、熊本市、さいたま市、宮古島などの自治体では、公用車、観光用のレンタカー、カーシェアリングなどの実証実験で使われた実績がある。豊島屋モデルは、現在鎌倉市が超小型モビリティーとしてナンバープレート取得の申請を行っているところだそうだ。

スペック上は、70km/hくらいまで出すことができる。充電時間は家庭用100Vで7時間。200Vで3時間程度でフル充電が可能だ。充電方式はチャデモなど自動車用の規格ではないが、特殊なものではなく、規格品のプラグとコンセントによる充電ケーブルを利用する。バッテリー航続距離は80kmほど。容量がそれほど多くないため急速充電には対応していない。

運転席

リヤゲート。装飾は3Dプリンタならではの造形

ワンオフや特殊な車両に活用

外装パーツは3Dプリントするため、金型が不要であり設計から製作までの時間はかなり短縮できる。コスト的には、金型の分を差し引いても大型の部品を出力する材料代、大型3Dプリンタの利用料などを考慮すると、あまりコストは下がらない。

その分、ワンオフの車両や特殊な目的に利用する車両に向いている。コストの問題は、すべてを受注カスタマイズではなく、各部のデザインバリエーションをあらかじめ用意しておき、ユーザーが選択できるようにすれば、リーズナブルなビジネスモデルが確立できるかもしれない。

用途に合わせて外装などを自由に設計できる

展示エリア
社会エリア
小間番号
2S93
関連リンク

本田技研工業株式会社
http://www.honda.co.jp/mc-beta/about.html

出展者情報

本田技研工業株式会社
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=6812

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