エプソン販売株式会社とセイコーエプソン株式会社は、産業用ロボットに装着して微細な作業を可能にする力覚センサー(フォースセンサ)システムをCEATEC JAPAN 2016に初出展した。
「ロボティクス」領域の目玉として出展
エプソングループは「インクジェット」「ビジュアル」「ウェアラブル」「ロボティクス」の4つのイノベーション領域からなる「長期ビジョン Epson25」を発表しており、力覚センサーシステムは、この「ロボティクス」領域の目玉として出展されたもの。
同社の力覚センサーは、時計の心臓部として使われているクォーツ(水晶発振子)の技術を応用したもの。クォーツに加わる力によって出力電圧が変化することを利用し、高分解能・高速応答・低ノイズのセンサーシステムを組み上げた。XYZ3方向の力(単位N)と3軸の回転モーメント(単位Nm)を検知するセンサーとコントローラーからなるシステムだ。
社内で性能を磨き上げてきたシステム
ロボットアームは一般に、動きの自由度を高めるためモーターを多く使い、可動領域を広げるためブームを長くする。しかしそのどちらもが “手先”の精密な動きを妨げる方向に働いてしまう。今回のシステムは、自動車工場などで使われている、恐竜のようなロボットとは異なる領域で働くロボットだ。
「もともとは社内で時計や部品作りのため内製し、改良を重ねて性能を磨き上げてきたシステムです。微妙で精密な作業を担うためのロボットに使っていただきたいと考えています」と語るのは、エプソン販売株式会社産業機器営業部FA機器営業課課長 原明氏。
「精密機器や部品では、嵌合(はめ合い)作業のクリアランスが10ミクロンのオーダーという場合もあります。そこを力覚センサーを使ったシステムで、乗り越えることができる。さらにこれを使えば、職人芸や名人芸を正確に記録にとどめることもできます」(前出・原氏)
同社では「微小ネジの精密ネジ締め作業」「変形しやすい電子部品の端子挿入」や「力加減の難しい研磨作業」など難易度の高い精密作業、ひいてはIoTを支える機器を作る仕事に貢献するシステムであるとアピールしている。
同社のロボティクスの象徴、力覚センサーの説明をする原明営業課課長
- 展示エリア
- 社会エリア
- 小間番号
- 3S95
- 関連リンク
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セイコーエプソン株式会社
http://www.epson.jp/