大学概要
1926年に開設された「名古屋高等理工科講習所」を前身として、90年近い歴史を持ち、中部圏でも随一の規模を誇る文理融合型の総合大学。次世代を担う人材の養成をめざし、さらなるキャンパスの充実、学部の開設など、とどまることのない挑戦を続けています。
組成傾斜層を有する窒化物半導体トンネル接合
技術の概要
青色面発光レーザや深紫外LEDに於いて、窒化物半導体特有の不十分なp型層特性を回避するためにトンネル接合を利用することが提案されており、これにより厚いp型層を利用する必要がなく、原理的に低抵抗化が実現できる。一方で、トンネル接合自体の抵抗が大きな課題となる。我々はこれまでに様々な手法により低抵抗トンネル接合を実現してきたが、いまだに高電流注入時にはトンネル接合の抵抗が高く、トンネル接合の実用化を阻んでいた。
今回、トンネル接合を形成する層の中で、バンドギャップの最も小さい層を組成傾斜させることでトンネル接合の抵抗を大きく低下させることを見出した。トンネルする層とその周囲の層のバンドオフセットによる大きなヘテロ障壁スパイクを組成傾斜層によって小さくすることで電子やホールを流れやすくさせ、低抵抗化させる手法である。
本法の特徴
トンネル接合層自体を組成傾斜させ低抵抗化した。(従来は矩形のバンドプロファイル) 具体的には、トンネル接合部のバンドギャップの小さい層を組成傾斜させることで、ヘテロ障壁スパイクの低減を優先しつつ、低抵抗化した。
これにより、窒化物半導体において低抵抗トンネル接合が実現し、高性能面発光レーザや深紫外LEDが実現する。
窒化物半導体の発光素子の製造技術
背景と実用化課題
縦型の発光ダイオードや面発光レーザは、その基本構造として活性層内に埋め込まれたトンネル接合層にて電流狭窄部を形成し、積層の上下方向に向けた集中発光を得ている。
ところが、そのウエハ作製過程でp型窒化化合物層の電流狭窄領域以外において電気的に低抵抗領域が形成され、狭窄領域への電流が減少し、良好な発光を効率よく得られていなかった。
技術の特徴
製造工程でのp型部分活性化のステップにおいて、二段階のアニール処理を施すことにより、埋め込みトンネル接合層の直下領域は、電気的に低抵抗な領域とする一方、埋め込みトンネル接合層の直下領域を除く領域は、電気的に高抵抗化させることで発光時における電流狭窄部以外へのリーク電流を抑止して、電流狭窄部に対し電流を集中させることができ、良好な発光効率を得た。
適用分野
面発光レーザ、車載用前照灯
〒468-8502 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501
学術研究支援センター
古林和典
052-838-20366
052-833-7200
kkobaya@ccmails.meijo-u.ac.jp
kawaik@ccmails.meijo-u.ac.jp
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研究・産学官連携