チャレナジーは、台風の様な過酷な環境でも発電できる次世代風力発電機「垂直軸型マグナス風力発電機」の研究・開発を行うベンチャー企業だ。世界ではまだ実用化された例のない方式だが、すでにフィールドテストを実施し、2020年には量産販売を目指しているという。実用化されると台風大国日本にとって、大きなエネルギー源として貢献するという効果も期待できるという。
東日本大震災をきっかけに独力で発明
自然のエネルギーで発電をする風力発電は、比較的効率が良いが、騒音やバードストライク問題、さらには最近の強大化した台風で破損するなど、さまざまな課題を抱えている。チャレナジーが開発を進める「垂直軸型マグナス風力発電機」は、そうした課題を解決し、「台風でも発電が可能」な風力発電機として期待がかかる。
代表取締役CEOの清水敦史氏は、東京大学大学院修士課程を修了後、株式会社キーエンスにてFA機器の研究開発に従事していたが、東日本大震災をきっかけとして独力で「垂直軸型マグナス風力発電機」を発明した。
効率の良い風力発電の課題を解決する「垂直軸×マグナス式」
同風力発電機の特徴は、垂直軸型にマグナス力を発生する「マグナス式」を組み合わせた点にある。マグナス力とは、回転する円柱や球が風や水の流れの中で生み出される力。野球のカーブボールやゴルフのスライスといった現象も同じ原理だという。「垂直軸×マグナス式」では、垂直軸にすることで全方向の風に対応でき、同時にプロペラを無くしたマグナス式にすることで強風でも風車が暴走せずに発電でき、事故・故障率の低下と稼働率の改善が期待できるという。
垂直軸型とマグナス式とを組み合わせた風力発電はまだ実用化された例がない。チャレナジーは、2016年8月から世界初のフィールドテストを沖縄県南城市で実施。2018年8月から、2020年の量産販売を目指して10kWの試験機を沖縄県石垣市で稼働させている。
垂直軸型(左)とマグナス力(右)の説明図。
台風でも発電可能 巨大なエネルギーを掌中に
実用化されれば、台風でも発電できる世界唯一の風力発電機として、台風大国日本にとっては大きなエネルギー源となる。実際、台風やハリケーンのエネルギーは、世界の発電量の約半分にもなるという巨大なエネルギーだ。さらに、「大規模洋上風力発電はハリケーンを弱体化する」という「災害損失の軽減」という効果も期待できるという。
電力マネジメントや部材軽量化技術企業との連携に期待 自治体や企業との連携も歓迎
量産体制の構築を進めるチャレナジー。CEATECのブースでは、風力発電機の小型模型とパネルによって「垂直軸型マグナス風力発電機」の仕組みを解説する。同社では、CEATECで、電力マネジメントのノウハウを持つ企業とのマッチングや、部材の軽量化へ向け、技術を持つ企業とのマッチングを期待しているという。また、再生可能エネルギーの導入に関心のある企業や自治体関係者からの質問や連携への意向なども歓迎するという。
- 会社名
- (株)チャレナジー
- 展示エリア
- 特別テーマエリア
- 小間番号
- S016
- 出展予定製品
- 公共インフラ、サービス
- URL
- https://challenergy.com/
- 出展者詳細
- http://www.ceatec.com/ja/showfloor/detail.html?id=12874