神奈川工科大学 情報工学科「i-Androidの会」 大学の教育研究促進にも
有用な展示会

神奈川工科大学 情報工学科「i-Androidの会」

取材日 : 2014.3.18

山本富士男教授田中博教授五百蔵(いおろい)重典教授
神奈川工科大学 情報工学科
山本富士男教授、田中博教授、五百蔵(いおろい)重典教授

出展者インタビューでは、ご出展いただいた企業・団体の方にお話をうかがってまいります。
今回は、「i-Androidの会」として出展された、神奈川工科大学 情報工学科 山本富士男教授、田中博教授、五百蔵(いおろい)重典教授にお話を伺いました。

学生への教育効果を主目的に出展

Q. はじめに昨年度のCEATEC JAPANに出展を決められた目的をお聞かせください。
私たちは2010年から毎年、リサーチパーク内に1ブースを2日間確保するかたちで、出展しておりました。この出展を通して、さまざまな方面から声をかけていただき、認知度の向上においての成果を実感できたこと、加えて、学生たちのやる気やモチベーションなどの研究活動における活性化を図ることができたことなど、高い教育効果を感じて、昨年度は1ブース4日間に拡張しての参加を決めました。
学生にとって目標をもって取り組むというのは非常に大きなことです。期限が決められている中にあって、いかにインパクトのあるものを見せることができるか、実際に見せるわけですから、不具合があってはいけません。展示内容はもちろんのこと、スケジュールの作成から外部の方々への展示説明と質疑に対する応答など、目的意識をもって取り組むという、学生たちの責任感を育て、能力を鍛える絶好の機会となりました。単に大学の知名度を上げるというより、どちらかといえば、この教育的効果が主な目的です。4日間に拡大にしたのも、この教育効果のためともいえます。
Q. 昨年、期間を拡大して出展するにあたり課題になったことはございましたか。
配布資料については考えましたね。どのくらいの部数を用意すればいいか。足りなくても困りますが、作りすぎても困りますから。もちろん資料自体もどのようなデザインにするか、クリアファイルの文字の位置はどうするか、配りきるための工夫など、学生たちを含めて考えました。おかげさまで、用意した2300部は4日間ですべて配布できました。

研究内容の周知、大学の知名度向上、そして学生たちの成長が成果

Q. CEATEC JAPANに出展して良かった点、出展することで得られたベネフィットをお聞かせください。
私たちが取り組んでいる研究やその成果を示すことができたこと、また、大学の知名度向上に寄与できたことは、最も良かった点のひとつだと思っております。また、ブースに来てくださった1296人もの方と直接対話できたのは、学生たちの今後の研究の大きな励みにもなりました。多くの方と対話する機会を得たことで、今まで思いもよらなかったことに気づかされることも多く、技術をどのように応用していくかということについては、大きなヒントを得ることができました。
また、展示内容をCEATEC JAPANの公式ウェブサイトに掲載いただいたことで、研究内容の広報活動につなげることができました。CEATECニュースに取り上げていただいたことも、大学はもちろん、私たちの取り組みを広くアピールすることができました。おかげさまで、ウェブサイトをご覧になってブースを訪れた新聞社から複数、取材の申込みがあり、記事を掲載していただくことができました。それに加えて、外部から技術利用の問い合わせもありまして、技術の権利化を進めています。
学生たちは、4つの研究をどう展示するかといった展示レイアウト、パンフレット作成からスケジュール管理、弁当の手配、展示物の梱包・発送、展示説明、想定問答集の作成など、さまざまなことを経験して、責任能力が鍛えられたと同時に、大きな自信になったと思います。達成感があったと思いますね。学会発表以上に学生たちにとっては意味のあるものになったのではないでしょうか。反省点としては、自分の担当以外の展示について質問を受けたときに、学生がきちんと答えられなかったということですね。誰がどんな質問を受けても答えられるように、準備しておくべきでした。これは今後の課題です。ただ、取材を受けた学生などは、自分が研究している内容がCEATEC JAPANのウェブサイトのトップページに取り上げられたことが、「別世界のようだ」と、喜んでいましたから、研究へのモチベーションは、格段に上がったのではないでしょうか。CEATEC JAPANへの出展には、非常に高い教育効果を期待できますね。
Q. CEATEC JAPANに出展して、何かお気づきになったことはございますか。
学生たちの成長ですね。準備から設営、当日の対応まで、これらの期間を通して、どんどん成長していくのを実感いたしました。最初は受け答えの中で慌てるような場面もあり、私たちのフォローも必要でしたが、日を追うごとにしっかりしましたね。特に自分の担当でない研究テーマも、対応を重ねていくうちに受け答えができるようになっていきました。他の人の説明を見聞きしながら学んでいっているようです。配布資料も積極的に配れるように変化していきました。
ブースに来てくださった方が、大学の知名度という観点ではなく、技術そのものに興味をもって来てくださっているのもよく分かりました。展示スペースが限られているので、仕方がないのですが、もう少し実際に体験していただけるような動的な展示を増やして、来訪してくださった方からより多くのフィードバックを得ることも重要だということに気づかされました。
Q. 公式コミュニケーションツール(WEB、SNS、メルマガ)についてご意見がありましたら、お聞かせください。
公式ウェブサイトの出展者情報の記載スペースが大きいのは、展示内容を詳しく紹介することができて嬉しいですね。この掲載を見て、興味を持ってきてくださった方も多数いました。CEATECニュースに取り上げていただくことも、多くの方に見ていただけて、とても効果的だと思います。

CEATEC JAPANは、組織の活性化が期待できる展示会

Q. 最後に、現在出展を検討している企業や団体の方へのアドバイスをお願いします。
私たちは大学ですので、企業の方々とは少し状況は違うとは思いますが、CEATEC JAPANの出展には、大きな効果が期待できます。知名度の向上に加えて、出展に携わった者たちの責任感やモチベーション、組織に対する帰属意識の高まりなど、組織(職場)活性化という観点からも大きな期待が持てる展示会だと思います。
出展に携わった学生たちは、学生の中から選抜されたわけですから、自分が組織の中で評価されている、あるいは研究室を代表しているといった意識を持つことで、責任感が芽生えますし、3つの研究室から選ばれているので、それまで全く交流がなかった学生たちも横のつながりが強まり、仲間意識というものも生まれました。
i-Androidの会:

神奈川工科大学 情報工学科の教員、学生の有志から研究室横断の形で構成されている組織。Android端末をベースにした、あるいは、Android端末を視野に入れた研究に関する発表やレクチャーなど,情報を共有することを目的として行っている。