CEATEC ニュース

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ユニテックス USB接続の大容量記録メディアLTOを出展 ディープラーニングのデータ記録など用途拡大 

ユニテックスは、USB接続で利用可能なLTO(Linear Tape-Openの略)の開発・販売を行う。USB対応のLTOは、世界的にもユニテックスの製品が唯一となる。大容量の長期データ保管を低コストで実現できるLTOテープを中・小規模のシステムでも利用可能になり、利用の幅を拡げている。初出展の今回は、LTOの最新規格LTO-8対応のLTOドライブ各種を出展する。

保存期間30年、1巻で12TBの大容量

ユニテックスの高速LTOドライブ装置。USB/SAS接続に対応し、最新の大容量LTO-8までサポートする。

LTOは、カセットに収められた磁気テープにデータを記録する大容量メディア。オープン規格としてシーゲイト・テクノロジー、ヒューレット・パッカード、IBMにより開発、策定された。2000年に第1世代(LTO-1)が商品化され、2017年には最新世代のLTO-8が登場。LTO-8では12TBの容量を実現している。テープメディアのため、シーケンシャルに記録・再生を行うが、LTFSと呼ぶファイルシステムにより、 WindowsのエクスプローラやMacのFinderなどからHDDなどと同様に操作でき、OS間でのデータ共有・交換も可能だ。

テープ1巻で12TB保存でき、240MB/secの高速データ転送が可能。保存期間が30年のため、データの長期保存に用いることが多い。また、将来的な開発ロードマップが明確なことも重要データの保存に適しているといえる。

世界で唯一、USB3.0で接続可能に

LTOは企業の大規模なアーカイブに用いられることが多く、通常、SASやファイバーチャネルなどでコンピューターと接続している。ユニテックスのLTOの特徴は、世界で唯一、USB3.0で接続できる点にある。 USB接続により、パソコンなど中・小規模のシステムで利用できる。

ユニテックス システムソリューション営業部の小杉恵美部長は、ユニテックスがUSB3.0対応のLTOを自社開発した経緯を次のように話す。

「当社では長年、光メディアやMOドライブ、テープデバイスなどの開発・製品化を進める中でドライブソフトの開発経験を蓄積してきました。USB接続により、LTOのメリットを生かした利用がさらに拡大されると考え、インタフェースの自社開発を手掛けました。I/Fボードの設計・開発から製品化まですべて対応しているため、LTOやUSBの進化にあわせた開発も進めております。現在、第三世代のカードを開発中です」

USB接続で用途を拡大

大容量の記録メディアであるLTOはこれまで、大企業のシステムバックアップ等に用いることが多かった。ユニテックスは、LTOの用途の拡大を見込み、いち早くUSB接続対応のための研究・開発を進め、自社でI/Fボードの設計・開発・製品化を進めてきた。USB接続が可能になることで、大型コンピューターで用いられることが多かったLTOを、中小のサーバーやパソコン、さらには中小のサーバーやパソコンをはじめ、さまざまな環境で活用出来るようになった。これにより、放送局や映像制作会社など、大容量の映像データを利用するコンテンツ制作の現場へも用途が拡大している。

AI、ディープラーニングのデータ採取でLTO活用事例も

同社のLTO製品はすでに、金融機関で多く採用されているほか、高解像度化でデータ容量が拡大している映像・放送業界でも利用が進んでいる。また、ビッグデータの保存にも活用されているという。

「自動運転など、AI、ディープラーニングで用いるための基本データとして、人が運転する自動車の映像データをさまざまな角度から撮影する際の記録メディアやそのデータを共有するための読み込みメディアとして高速に処理できるLTOは役立つと考えます、かつ、USB接続によりさまざまなシステムにて動作が共有できること、複数のラインが短期間で構築できることは利点があると思います」(小杉氏)

データの長期保管に関する総合的管理方法をJIS規格で推奨

今年1月には、「磁気テープによるデジタル情報の長期保存方法」として、LTOによるデジタル情報の長期保存についてのガイドJIS Z6019を制定。実際の使用例の調査を経て、冗長化保存、記録媒体、ドライブや、管理台帳、 OS等についての推奨案を提示している。これは、ビッグデータ、IoT、AIなどによる高度情報化社会における膨大なデジタル情報の長期保存のシステムとしてLTOを進めている。

同規格のねらいは「ドライブやソフトウェアの寿命(保守期間)の方が、磁気テープの寿命よりも短いことが多く、これらを含めて総合的にデジタル情報を管理しないと、将来デジタル情報を読み取れなくなる危険性がある」としており、LTOによる長期データ保存の重要性が認められた形だ。

デュアルLTO、自動データ保存機能搭載システムも

LTOテープ複数同時作成・複製・マイグレーショに対応。LTOドライブを2台搭載したUSB3.0LTOデュアルテープ装置。

ユニテックスは今回のCEATECブースで、3つの新製品を出展する。USB3.0対応の「LT80H USB」、ドライブを2台内蔵してLTOテープに複数同時作成・複製が可能なデュアルLTO装置「Dual LTO」、LTOテープライブラリの自動制御、トリガによる自動データ保存機能を搭載したLTO自動長期データ保管システムの3製品。

小杉氏はCEATEC出展のねらいを次のように話す。
 「研究・開発の分野では複数の企業が共同で進めることも多く、実験で得た膨大なワークデータをネット上で共有することもある。USB3.0接続によるLTOの有効性を理解してもらえれば、さらに用途が拡大していくはず。CEATECでは、LTOを用いたデータ管理や自動アーカイビングの工程を紹介できるデモを実施し、研究・開発者や技術担当者の質問にもこたえていきたい」(小杉氏)

会社名
(株)ユニテックス
エリア
[G]スマートファクトリー
小間番号
G012
URL
http://www.unitex.co.jp/
出展者詳細
https://www.ceatec.com/ja/showfloor/detail.html?id=12812

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