希少動物の自動車被害対策や猿・熊対策など幅広い応用範囲 一心助け
株式会社一心助けは、CEATEC JAPAN 2018に出展し「鷹画像立体視シートによるカラス糞被害激減効果」を出展する。これは、住宅街で発生する、カラスなど、鳥獣の糞被害に対して、カラスの天敵の猛禽類である鷹の写真をもとに作成した「オオタカ立体視シート」を車や路面に貼ることにより、自動車や住宅等の糞被害を減らすというものだ。
カラスの飛来を5カ月忌避 マンションで実証実験も開始
一心助けの社長、鈴木英雄氏は、自宅周辺での糞被害対策として同シートを開発し、5カ月にわたり、カラスの飛来を避けることができたと話す。「これまで、同じような製品があったが、画像は動かないので、カラスはすぐに警戒を解いてしまうが、今回は、立体的に見えるためか、カラスがまったくこなくなった。鳥獣被害は全国の住宅街に及んでおり、同製品で課題を解決できれば」と期待をかける。鈴木社長は、上野公園や新宿公園でも実験をし、効果を確認している。また、千葉県幕張のマンションで鳩糞被害の対策として実証実験を開始したほか、某市の商工会でのカラス対策として検討が進められているという。
シートは、大鷹の剥製を複数のアングルから実際に撮影し、3カットの姿をそれぞれA3サイズにプリントし、UVラミネート加工したもの。「大鷹の画像に影をつけることにより、立体的に見えるようにしている」(鈴木社長)という。鈴木氏は、シートの利用時にビームライトや警告音、天敵の鳴き声などをあわせて使用することでより効果を上げることができるという。シートはこのほか、鳶(とび)の立体視シートもある。
鷹画像立体視シート。大鷹の写真をプリントアウトし、陰影をつけることで立体的に見えるように工夫している。
イノシシ撃退にも活用へ
今後は、実験を重ね、画像の種類や貼る位置などによる効果の検証を進めるとともに、最近、人里に進出して民家に侵入したり農作物を荒らす猿や鹿、イノシシなどを撃退する「天敵立体シート」を開発し、関係省庁や農家、関係団体の協力を得て、実証実験を進めたいという。さらに、「イリオモテヤマネコが棲息する西表島では、車でイリオモテヤマネコがひかれる被害があると聞くので、ドライバーの注意喚起のために、道路上にイリオモテヤマネコの立体視シートを貼り、注意喚起をするという使い方も提案したい」と鈴木氏は話す。
鷹画像立体視シートを車のフロントガラスに装着した状態
平面画像の立体認識技術と製品による交通安全&広告効果
鷹画像立体視シートを道路上に貼り付けた状態
この立体視シートの技術はもともと、昨年のCEATEC JAPANで出展した、通行区分帯など道路面に設置する塩化ビニール製の交通標示板で用いられていたもの。コーンなどの画像を、平面画像でありながら、あたかも立体物があるかのように見せることができ、これにより走行中の通行区分帯から区分帯に侵入させにくくさせる効果があるというものだ。昨年、第5回環境省グッドライフアワードで環境アート&デザイン賞を受賞している。
幅広いジャンルのエンジニアが集まる催しCEATEC
鷹画像立体視シートをマンションのベランダに固定した柱に貼り付けた状態
一心助けは、昨年、自社開発の「パンク激減・ご機嫌チューブ」を出展。一心助けとしてへ今回が2度目の出展となる。昨年出展した同製品は、独自のチューブの構造により、悪路でもパンクしないしくみがウリ。今年夏に開催した、北海道1周2,400kmライドで完走した4台のうち、3台の自転車に装着され、全行程でパンクをせずに完走したという。
一心助けの鈴木社長
昨年出展の効果について、鈴木社長は次のように話す。
「CEATEC JAPANは、なにより、多くのエンジニアや地方自治体の関係者が集まる展示会ということで、非常に多様な人が関心を持ってくれた。製品に対して、さまざまな意見や評価をいただき、大変参考になるととともに、いろいろな事業機会を生む素地が生まれた。特定の業界の展示会と異なり、幅広いジャンルの方々が集まる点が機会を拡大するきっかけとなった。当社は、CEATECに出展している他の大企業と比べ規模が小さいが、こうした場所を活用できる点は大きなメリット。他の中小企業も大いに出展して、活路を開いてもらいたい」(鈴木氏)
- 会社名
- (株)一心助け
- 展示エリア
- 特別テーマエリア
- 小間番号
- S005-29
- URL
- http://www8.plala.or.jp/tasuke/
- 出展者詳細
- https://www.ceatec.com/ja/showfloor/detail.html?id=12193