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Vol.782014年10月31日

世界の教育市場ではタブレット端末が急増、100%の増加率を達成:

2014年9月23日英国Dunstable発―世界のK-12(幼稚園から12年生)の教育市場において個人用端末が採用されている中、異なる端末間の競争が激しくなっていることがFuturesource ConsultingによるK-12 Education Technology Market Track(教育技術市場追跡)調査の最新版で明らかにされた。Q2 2014(2014年第2四半期)における世界のK-12教育市場への個人用端末出荷数は、前年同期比40%以上増加して790万台となった。

この分野の成長をもたらしたのはタブレット端末の出荷数の伸びである。Futuresourceによると米国ではQ2の期間中、ノートブックの方が好まれたためにタブレット端末の出荷は伸び悩みがみられたとしているが、米国以外の地域では状況が異なる。トルコにおけるFatihのほか、メキシコ政府によるタブレット端末の普及促進策、コロンビアにおける学校プログラム向けのコンピュータ導入、タイにおける子ども1人に1台のタブレット端末(One-Tablet-Per-Child)という取り組みによる出荷増など、複数の国で大規模なタブレット採用がなされたことによってこのカテゴリーの成長が加速している。世界的なK-12教育市場における出荷数の半分をこれらの取り組みが占めている。Q2 2014において、世界的にみてこのカテゴリーの増加率は100%に達し(倍増)、ノートブックやネットブックと比較しても最も成長著しいカテゴリーとなっている。

このように大規模な採用がなされていることでAndroidタブレット端末のベンダーは恩恵を受けている。そこでの重要な検討材料はハードウェアのコストである。

「Androidタブレット端末の教育現場での採用はこれまでのところ新興国と一定規模の国家的教育案件に限定されていますが、そこでは端末の価格が重要な決定要素となっています」としたうえで、「Androidタブレット端末は北米や欧州などの地域では採用獲得に苦戦しています。この地域での検討要素はプラットフォームに特化したコンテンツや端末の管理のしやすさとなっており、価格重視とは異なります」と、Futuresourceの市場アナリストであるPhil Maddocks氏は述べている。

「米国の教育市場ではChromebookの採用が相当なされている一方(Q2 2014におけるノートブックの半分以上)、米国以外の地域での採用は限定的です。欧州では、クラウドコンピューティングや生徒・先生のプライバシーデータの扱いに関する懸念もありChromebookは足場を固めるのに苦戦しています。さらに複数の国ではプラットフォームが十分利用できないという問題もあります。アジア太平洋地域では、マレーシアが2013年に10万台超のChromebookを現地の電気通信会社YTLとともに学校で採用しました。このプロジェクト以外では、アジア太平洋における採用は限定的です。」

ノートブック分野でのChromebookの最たる競合は、Windowsをベースとする端末である。複数のOEM事業者は今年後半、Windows 8.1をベースとする端末をローンチするとみられる。価格はChromebookと競合するよう設定されるため、この市場での競争が過熱するだろう。

「世界的なK-12教育市場での非Windows端末の出荷は50%以上の増加率を記録しましたが、その成長は主としてAppleのiPad、Androidタブレット端末、Chromebookの採用があったためです。ノートブック市場のローエンド分野で競合するよう設計された低価格Windowsのノートブックがローンチされると、Chromebookや低価格Androidタブレット端末との競争がさらに進むでしょう。」

着脱可能なタブレット端末やコンバチブルノートブックなどの新たな形態のほか、新端末が市場に投入されると競争は激しくなるが、一方で、政府や教育関係者にとっては選択肢が増えることになる。その結果、ハードウェアとソフトウェアの両面で生徒や先生にとっての端末のイノベーションもまた続くことになり、子どもにとっての新たな機会と学習経験がもたらされるだろう。

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