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Vol.252012年8月1日

2012年 スマートフォン市場が家電の最大金額シェアを握る勢い

スマートフォンのグローバル出荷総額は2011年に1000億ドルを超えたが、2012年には30%の更なる伸びが期待されており、TV市場を抜き最大の家電金額シェアとなる勢いである(白物家電除く)。

2011年の携帯電話販売総数はグローバルで15億台強に達した。2012年には16億台に近づくと思われる。スタンダードモデルの市場は縮小傾向にあるものの、2012年には販売総数の半数以上を占めると思われる。低価格であることから、インド、中近東、ラテンアメリカといった新興国での需要が引き続き見込まれており、通話とメッセージ機能で満足している消費者も多いことから、2016年に及んでもスタンダードモデルシェアは1/3以上を占めると思われる。

2012年の先進国でのスマートフォン個人所有率は50%を超える見込みで、イギリスでは70%にまで達するかもしれない。スマートフォンは、幅広い層で日常生活に欠かせない代物となってきている。

日本は、スマートフォン市場が急速に拡大している国の一つで、従来型の国内メーカーによるハイエンドモデルと海外勢との市場競争が激化している。2011年の国内スマートフォン販売台数は、2300万台に上り前年比150%となった。この2年でAppleが勢いを増してきており、累積でのインストール数は2012年半ばで約1500万台である。

グローバルなスマートフォン市場の成長は、今後も鍵となるであろういくつかの要因によって後押しされている。プリペイド の販売を促している150 USドル以下の端末の発売、インターネットへの常時接続を希求する消費者心理、大手オペレーターやメーカーによる販促キャンペーン、コンテンツ&アプリの品揃えや品質の充実化がこれにあたり、AndroidとAppleの販売に拍車を掛けている。

今後、主に新興国や若年層をターゲットにしたAndroid主力の低価格スマートフォンに注目が集まると思われる。また同時に、ハイエンドモデルでも競争は増し、2012年にはクアッドコアプロセッサ(4つのプロセッサコア)搭載機種が発表され、各社が独自性を打ち出す。Futuresource Consultingは、2012年に全世界で販売されるスマートフォンの内65%以上が新ユーザー向けで、残りが買い替えおよびアップグレードとなると予測している。アメリカのような先進国市場ではこの比率は逆で、2/3以上が買い替え需要となるであろう。